全ての音楽制作・演奏を愛する人のためのキュレーションメディア

音楽人.net

風営法改正について考える【第2回】

【第2回】2016年6月23日風営法改正
DOMMUNE「改正前夜、今後の日本のクラブカルチャーを考えよう」~THE SHAPE OF CLUB CULTURE TO COME!イベントレポート

いいね

  • シェア
  • ツイート
  • はてぶ

改正から1ヶ月、改正風営法のおさらい

https://www.ongakujin.net/page?a=84
出典:https://www.ongakujin.net/page?a=84

改正から1ヶ月が経過し、この話題も少しずつ見かけなくなりました。
また、改正後1ヶ月で特にネガティブな事件が起きなかった事も、話題が風化してきた遠因と言えるでしょう。
ここで一度、改正風営法の再確認です。


改正風営法では「特定遊興飲食店営業」という新しい業体が定義され、この業体であれば深夜での酒の提供と遊興(ダンスを含む)の営業が出来ます。
許可の為の条件は以下のとおり。


・1平方キロメートル内に風俗営業店、または、深夜酒類飲食店営業店が300店以上ある繁華街地域。又は、1平方キロメートル内に100人以上の住民がいない地域。
※具体的地域は都道府県の条例で定める。
・客席1室の広さが33㎡以上あり、客席内に見通しを妨げる設備がないこと。
・光度が10ルクス以上であること。計測は客席で測量する。(客席が客室の1/5以下の場合は客席、ホール両方で測量)店外から店内が見えるガラス張り構造でも可。

なお、午前0時(条例で定めた地域は午前1時)までの営業については「飲食店営業」となった為、2012年のNOONのような0時前の摘発は今後は無くなります。
深夜については「特定遊興飲食店営業」としての許可が得られない施設は改正前と同じ状況であるといえます。
ただし、改正前までは違反についての刑事罰はありませんでしたが、この改正後からは許可無しで遊興を行えば2年以下の懲役、200万円以下の罰金となります。


読んでいただければ、日本中の全てのライブハウスやクラブが大手を振っての深夜営業が認められた訳ではない事がご理解いただけます。
しかし今まではクラブにとってグレーな営業だったものがホワイトになった事を分かりやすく記述すると

・午前0時(条例で定めた地域は午前1時)までの営業が出来る
・「特定遊興飲食店営業」の許可を得られれば深夜営業が出来る

このように改正されたことになります。

法改正の中心となったクラブとクラブカルチャーを守る会


出典:http://clubccc.org/

クラブとクラブカルチャーを守る会(以下、CCCC)は現役でクラブシーンで活躍し続けてきたDJとミュージシャンが中心となって、風営法改正を目標にした団体です。
ダンス議連や渋谷区長へのロビー活動の他に、日々の勉強会と渋谷区街路の早朝清掃活動、また海外の事例を学ぶべく、ベルリン・クラブ・コミッション代表との対談や、オランダ・アムステルダムで開催された「ナイト・メイヤー・サミット2016」に出席するなど活動をしています。

2016年6月22日。この日のドミューンでは、CCCC会長のZeebra氏、副会長のWatusi氏らを中心としたメンバーによって、改正法とクラブカルチャーについての意見交換と議論の場となりました。
法律が主題ではあるものの、テーマが文化にスライドしていくあたりは、現役DJとミュージシャンならでは。
音楽人.net編集部は、USTREAMでの視聴ではなく、ドミューンに赴き、観覧してまいりました。

ここからはイベントレポートとなります。

DOMMUNE 「改正前夜、今後の日本のクラブカルチャーを考えよう」~THE SHAPE OF CLUB CULTURE TO COME!


出典:http://www.dommune.com/reserve/2016/0622/

司会:磯部涼 スピーカー:Zeebra、EMMA、Darthreider、Watusi、DJ AMIGA、HIROSHI WATANABE、須永辰緒、DJ Dragon、DJ Shufflemaster、VENUS KAWAMURA YUKI(しぶや花魁)、Nagi (Dazzle Drums)、Nari(iFLYER)
THE SHAPE OF CLUB CULTURE TO COME BROADJ♯1942 DJ:須永辰緒、EMMA

日本のクラブカルチャーはどこに向かうのか?長い歴史の中で時には地下を掻い潜り、時には地上を席巻し、国際的な相互影響の中で成長し、ゆっくりと、じっくりと。GROOVEと共に浸透してきた日本のクラブ・カルチャー。多くの担い手がいて、それぞれがそれぞれの活動を続けてきた中で…いま、どのような状況なのか?この先、どうなっていくのか?未来は明るいのか? そもそも、日本にクラブカルチャーはあるのか?2016年6月23日に改正風営法が施行される。この改正にはどのような意味があるのだろうか?議論が必要な論点はたくさんある。DOMMUNEで、このタイミングだからこそ徹底的に話し合う番組を用意しました。司会は、DOMMUNEの風営法討論番組シリーズ「TALKING about 風営法!!」でもMCをつとめる磯部涼。1部では先日、アムステルダムで開催された第1回ナイトメイヤーサミットの内容を、参加してきたZeebraとDarthreiderがレポート。2部では長年風営 法改正にも関わってきたWatusiがDJ AMIGAと日本のクラブカルチャーに深く関わってきたYAMAを交え改正風営法を解析。3部ではDJ EMMAがホストの「EMMAの部屋」に、クラブカルチャーに関わる様々な人を招いてトーク。ここに答えがある、のではなく、対話と議論を通じて種を探り、向かうべき方向を見出す。スピーカー:HIROSHI WATANABE、須永辰緒、DJ Dragon、DJ Shufflemaster、VENUS KAWAMURA YUKI(しぶや花魁)、Nagi (Dazzle Drums)、Nari(iFLYER)4部のDJ Timeでは須永辰緒と、DJ EMMAが改正の瞬間をDJで迎える!THE SHAPE OF CLUB CULTURE TO COME!!!!!!!

出典:http://www.dommune.com/reserve/2016/0622/

昼の生活者と夜の生活者の話し合いのテーブルが必要だった

第1部 司会:磯部涼 スピーカー:Zeebra、DARTHREIDER

【今までは存在しなかった話し合いのテーブル作り】

Zeebra「まず改正案については100%希望が叶うことを求めたし、100%の意見が通った訳ではない。でもまずは大きな一歩を踏み出した」

磯部涼「今までは逃げてきた法律と向い合っての一歩ですよね。」

DARTHREIDER「今回の法改正は2つの意義があって。1つは時代精神のアップデート、つまり「ダンス、クラブ」という響きが持つピンクなイメージからの脱却ですよね。
もう1つは話し合いのテーブルづくり、昼の生活と夜の生活を送っている、違う生活をしている人同士の話し合いの場。」

磯部涼「法案はどうしても現場のスピードからかなり遅れてやってくるものだから、働きかけはこちらで行っていかなければならない。」

DARTHREIDER「法改正は今しかないといえる今回のタイミングで、またタイムリミットまでの短い議論の時間の中で、全ての望みを一度の改正で叶える事は難しいかった、というのはあります。」

【ナイトメイヤーサミットへの出席と海外の夜の事情】

■■■■

去る4月23日にアムステルダムで閉会したNight Mayor Summit 。
この大規模な国際会議はナイトカルチャーの経済および文化的価値を発展させるために開催されました。
CCCC会長のZeebraはこのNight Mayor Summit に「渋谷区観光大使ナイトアンバサダー」として基調演説を行いました。
「世界と繋がるカルチャーを目指す。」
これはCCCCが展開するPLAYCOOLキャンペーンの目的の一つです。
CCCCは以前より今回のNight Mayor Summitの主催者であるMirik Milan(ミリク・ミラン)氏と繋がり、Night Mayor(夜の市長)としてアムステルダムのナイトカルチャーを繁栄に導いたミリク氏と意見交換を重ねてきました。
「TOKYOにもいち早くNight Mayorを」というミリク氏の提案を受け、CCCCも日本国内におけるナイトメイヤーの可能性を模索。
そして先日、CCCC会長であるZeebraが渋谷区観光協会の公認を受け「ナイトアンバサダー」に就任し、PLAYCOOLの理念の下、日本のナイトカルチャーをより発展させていくことを誓いました。

出典:http://clubccc.org/post/143367641743/

【日本も海外も、夜の街の問題はほぼ一緒】

DARTHREIDER「どの都市も夜の問題はほぼ一緒なんですよ。酔客の迷惑行為と騒音問題。そして問題解決の議論に若い人が中々参画してくれない…」
Zeebra「パリには夜の議会があり、一歩踏み込んではいるけど、議会だから、ちょっとお堅いとかね。」
DARTHREIDER「サンフランシスコは行政がしっかりと整理をしていて、いわばアートのパトロンのような役割を行政が行っている。夜の街の中心から半径2kmは騒音エリアに指定して、家賃を安くしている。その代わり勿論うるさい。ただアパートをまるごとアーティストに貸していて、アート活動を行っていると住めるようにしている。」

Zeebra「そういうことって結局、昼の人間(行政)、夜の人間(事業者)、お互いだけでは解決できない。話し合いの場が必要だと。」

【今まではグレーだったから、企業参入が難しかった】

DARTHREIDER「Hardwell(ハードウェル)が主催している「World's biggest guestlist」というのが昨年ムンバイで行われて。ムンバイで十数万人を集めたイベントで、このイベントのチケット代が18000人の子供の10年分の教育資金となった。
規模感についてはインドだから…っていう部分はあるものの、今までは日本ではダンスがグレーな存在だったから、このような試みに企業参入が難しかった。
今回の法改正でこういった試みが大手を振って出来るようになるかも知れない。」

■■■■

【CCCCは一旦解散】

磯部涼「今後CCCCはどうなるんですか?」
Zeebra「CCCCは6/23を以って、解散。普通のクラバーに戻ります(笑)」
DARTHREIDER「活動には一旦区切りがつくけど、こんなにバラバラのジャンルの人達が集まってここまで出来たのだから。
今後はこのできあがったコネクションを有効利用し、さらに大きな枠組で活動できる組合の設立も考えられます。」

Zeebra氏が選曲した「Mary Jane Girls - All Night Long」を最後に流し第1部は終了。
この日は法改正前夜。
午前0時、東京・渋谷のスクランブル交差点の四つの大型ビジョンに、Zeebra氏によるメッセージ動画が映し出されました。

ミラーボールの地球儀の中、沈んでいる日本列島。このアートワークのような沈んだ日本を何とかしたい

  • シェア
  • ツイート
  • はてぶ

この記事を書いた人


音楽人.net編集部です。
特に音楽ジャンルにはこだわらず、シンプルで役に立つ記事の配信を心がけます。

  • 公開記事数 : 214
  • 482806pt

シリーズ記事

BeatportによるHow to DJ動画(5)

DTM初心者の為のPCスペック-2016年版-(1)

イベントレポート(1)

風営法改正について考える(2)

音楽人へのインタビュー(3)

物販アイデアシリーズ(2)

ライブ演出シリーズ(2)

  • Blog
  • Facebook
  • Twitter

コメント


この記事に対するコメント (0 件) 

※会員登録するとコメントの投稿ができるようになります

投稿者名:

画像:


関連記事

「鳥」ジャケ特集

maiden voyageと和食とよま

筆者が定食にジャズを見出すシリーズ

 福山タク

 2

 1158

 カルチャー

Oasis「Definitely Maybe」

海外ミュージシャンの保険に注目!

2016年 他界したミュージシャン・アーティスト

シンセ専門店「Five G」 の軌跡

音楽人.netで記事を書きませんか?

音楽人.netとは?


キュレーターランキング

全て見る


音楽人.net 編集部

公開記事数 : 214

482,806pt


佐藤則之

公開記事数 : 2

208,076pt


海原亀太

公開記事数 : 22

97,640pt


パンジー関

公開記事数 : 6

91,275pt


岩谷翔 Success Voice

公開記事数 : 1

88,428pt