「高い声で歌いたい!でも・・・」

出典:http://xn--n9j6fc7l3e2548cojua.net/wp-content/uploads/2013/08/20130822.jpg
「憧れのあの人のようにハイトーンボイスで歌いたい」
そう願うシンガーは少なくないんじゃないでしょうか?
洋楽・邦楽問わず、多くのプロシンガーが高い声を操り、
最高のパフォーマンスを見せてくれます。
かくいう筆者もハイトーンボイスに魅せられた一人。
学生時代はB'zやX Japanに憧れてひたすらハイトーンシャウトを練習しました。
しかし、いざ彼らの曲をカラオケに入れて歌おうとすると、
『こんなん歌えるかーーーー!』
となり、しょうがないから福山雅治でお茶を濁すわけだ。
(女子ウケはいい笑)
いいか?俺のようになるなっ! by 筆者
それでも、歌いたかった岩谷少年だが地元の先輩に聞いた方法で運命を開くことになる。
それは、、、
『カラオケで10時間、高い曲を歌い続けることを1週間やる』ということ。
先に断っておくと、この方法は
決して真似しないでほしい。
あくまで悪い例だ。
その先輩の説明はこうだった。
『声を出すのは筋肉だから、』←合ってる
『高い声を出すにも筋肉を鍛えなければいけない』←合ってる
『筋肉は一度壊れないと成長しない』←合ってる
『だから、喉をわざと壊すんだ』←ちょっと待て
「なるほど!理にかなっている!」と信じた岩谷少年はその先輩の言うとおり
一週間毎日10時間のカラオケ特訓をやりました。
その結果、、、全く声が出なくなりました・・・orz
声帯は鍛えられない
よく喉を鍛える、とか声帯を鍛えるとか言っている人がいますが、
それは大間違いです。
声帯は鍛えれません。
なぜなら声帯は粘膜だからです。
人間が鍛えられるのは筋肉だけなので、筋肉じゃない声帯は鍛えられません。
特に筆者がやったようなスポ魂練習方法は、元々センスのいい人がコツを掴むにはいいかもしれませんが、一般的な人間には向きません。
むしろ、逆に声帯を痛める原因になります。
お医者さんが導いてくれた
声が出なくなった岩谷少年は失意のまま、
近所の耳鼻咽喉科に行き、先生にいきさつを話しました。
めちゃくちゃ怒られました。
「そんなんやったら喉壊れるちゅーねん!」
「馬鹿すぎるだろ!」
ボッコボコです。
それでも先生は怒ります。
「君、高い声で歌いたいんだったらちゃんと
ミックスボイスで歌わないと歌えなくなるで!」
ん?
ミックスボイス?
なんだそれ?
これが僕のミックスボイスとの出会いでした。
ミックスボイスとは?
ミックスボイスは簡単にいうと、
「地声と裏声の両方の特性を持った声」
です。
人には"声区"というものがあります。人それぞれ定義は曖昧だったりしますが、代表的なのは地声や裏声というものです。
声区はそれぞれ出しやすい音域が変わります。
地声だと出しやすい音域が裏声だと出しにくいのはそのためです。
曲の高い部分で裏返っちゃうのはそのためです。
さて、ここからが重要。
実はこの声区は混ぜる(ミックス)することができるんです。
つまり、「地声50%:裏声50%の声」や「地声30%:裏声70%の声」という具合に
混ぜることで声の印象を変えることができるんです。
この声の状態をミックスボイスといいます。
ミックスボイスのメリット
ミックスボイスの最大のメリット。それは、
地声の音域も裏声の音域も使えること!
地声と裏声の出る音域なら同じ印象の声でヌルヌル移動することができるんです。
一見、プロのアーティストが出す地声にしか聞こえないようなハイトーンボイスでも
実はミックスボイスだったりすんるんです。
一旦身につけてしまえば、デメリットは皆無!
ミックスボイスを使わないデメリットはありません。
なぜなら、どんな印象の声でも広い音域をカバーできるから
音程で困ることがなくなるからです。
また地声と裏声の配分によって、様々な印象を持たせることが出来ます。
例えば、地声の配分を多くして荒々しく、しかし高い音域を保ったり。
または裏声の配分を多くして、張らずにしっとりと高音を聴かせたりできます。
あえてデメリットを挙げると、出来ない人からするとその習得の難しさでしょう。
たまに天然ミックスと呼ばれる生まれた時からミックスボイスが出来る人もいたりします。
ミックスボイスの名手たち~J-POP編~
ミックスボイスを実際に聴いてみましょう。
あくまで一例ですが、どの方も素晴らしい声を聴かせてくれますよ☆
稲葉浩志 from B'z
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稲葉さんは地声の成分が非常に強いミックスボイスを聴かせてくれます。
特にサビの『ギリギリ、崖の上を』のところは、最高音hiCとなっており普通なら裏声を使わないと出ない音域までミックスでカバーしています。
Toshi from X JAPAN
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Toshiさんは地声と裏声のちょうど中間地点「ミドルボイス」を聴かせてくれます。
ちなみに本人は地声のつもりで歌っているというインタビューもあることから、もしかすると天然ミックスなのかもしれません。
この曲だとサビの「溢れるー」というフレーズはなんと稲葉さんよりも更に高いhiD!
ミックスは高くなればなるほどバランスを保つのが難しくなるので、Toshiさんは相当声帯のバランス感覚が良いのだということが分かります。
越智志帆 from Superfly
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女性はミックスが分かり辛いのですが、superflyの越智志帆さんは非常にミックスが分かりやすいです。
動画の3:55~のサビが転調してからは最高音hiF!
高いファの更に1オクターブ高いファですよ!ファッ!
ちなみにYoutubeにはそんな高い原曲キーを歌う男性シンガーもいたりします。
人間の声帯の無限の可能性を感じますね。
で、実際どうやって練習すればいいんよ?
これぐらい言えば、ミックスボイスの魅力についておわかり頂けたでしょうか?
ちなみにミックスボイスは高い声だけじゃなく、低い声も出しやすくなりますので
歌う人であれば是非身につけておきたいテクニックです。
このミックスボイスの習得ですが、声帯の意識がかなり大切になってきます。
自分の声帯のコントロールを完全にすることによって初めてコツがつかめるので
人によってはなかなか険しい道になります。
しかし、感覚は誰でも掴むことができます。
完全に感覚がない状態ではしゃべることすら出来ませんからね。
声帯の感覚を上げるためのレクチャー動画
声帯の練習は文章で伝えるとかなりややこしいです。
筆者、岩谷が出演しているレクチャー動画がありますので最後にご紹介しておきますね!動画でご紹介している『裏声と地声の行き来』『エッジボイス』などで声帯の感覚を強めていってみてください!