美しくもどこか珍妙な唯一無二の作曲家。
初心者にクラシックをお勧めするという連載第2回にして、いきなりコンポーザーは聴いた方が良いという副題いれてしまいましたが、なんでかというと、僕が一応コンボーザーというか曲を作って生活している人なので、作曲したり音楽でご飯を食べて行こうという人の参考になれば良いかなという思いもあって入れてみました。とはいえ小難しい話をするつもりはなく、別におれ曲作らないよという人にも楽しく読んでもらえると思うのでよろしくお願いします。
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交響的物語「ピーターと狼」。子供のために作られた可愛らしいオーケストラ作品。聴いたことあるでしょ??
この曲の冒頭、CMで流れていたりTVでもよく使われるのでなんか聴いたことあると人多いと思います。少年ピーターの元気で快活な様子を上手く表していて、一度聴いたらだれも口ずさめそうなメロディーです。
中二病くすぐる戦争ソナタ
こんな感じにファニーだけどなんかすげえみたいな曲の多いプロコフィエフ(略してプロコという可愛さ)ですが、ショスタコーヴィチと同じく、若い頃はバキバキの前衛志向でした。若い頃からピアニストしても有名で、柔らかいオーケストレーションとは違ってピアノ曲には鋼鉄のような固く激しい曲も多いです。で、有名なのがピアノソナタ7番。6〜8番を通称戦争ソナタというのですが、高速7拍子で駆け抜ける7番第3楽章は、戦争、高速7拍子という中二病くすぐるワードでそれだけで魅力です。
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13:46からが第三楽章。ポリーニの演奏もめちゃんこカッコいい…!!!
この曲、さそうあきらの漫画「神童」で主人公のうたが弾き倒しピアノ弦ぶち切るシーンでも使われています。映画ではこのシーンあったか覚えてないんですが、うた役の成海璃子ちゃんは高校生の時からあぶらだこや村八分を聴いているという我々売れないタイプのミュージシャンからするととても尊い存在です。
出典:http://www.amazon.co.jp/%E7%A5%9E%E7%AB%A5-1-%E5%8F%8C%E8%91%89%E6%96%87%E5%BA%AB%E2%80%95%E5%90%8D%E4%BD%9C%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%81%95%E3%81%9D%E3%81%86-%E3%81%82%E3%81%8D%E3%82%89/dp/4575724912
おすすめ曲あれこれ
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ロメオとジュリエット。素晴らしい小曲がちりばめられた宝石箱の様な楽曲。冒頭の前奏曲の美しさは筆舌に難く涙無しには聴けない…。
無垢な少女の希望と儚さをわずかな時間で表している17:55からの「少女ジュリエット」、CM曲でもおなじみの27:52からの「騎士たちの踊り」あたりから聴くと入りやすい。
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Op.39の五重奏曲。なんすかねこのメロディ笑 何回聴いてもずこーと腰からくだける。かっこよさとかわいさを備え持つプロコは最高のイケメン。
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スキタイ組曲。拳を突き上げたくなるやつですね。太陽神ヴェレスと娘アラを賛美した冒頭の破壊力はそこらのロックバンドが泣いて謝るかっこよさ。大太鼓のドスンって感じも最高ですね
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交響曲第一番の第2楽章。古典的なザ・クラシックな曲風ですが、ゆったりとした3/4のリズムに細かい3連符を巧みにつかったこういう躍動感ありつつ不思議なリズムもプロコの特徴。個人的によく真似する手法。
日本に来た初めての大作曲家。亡命〜帰国の謎。
とまぁこんな幅広い作風のプロコですが、おすすめ曲書いてると止まらないのでここらでやめておくとして、なんとこの人日本に来た事があるんですよ。教科書に載るクラスの作曲家が来日した例としては初めてです。北斎に憧れたドビュッシーだって日本の土は踏んでないですからね。