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サンプリング訴訟17年の経緯

クラフトワーク敗訴の「2秒の」サンプリング訴訟、その17年間の経緯を辿る。

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クラフトワークのサンプリング訴訟 ドイツ裁判所「著作権侵害には当たらない」と判決

クラフトワーク(Kraftwerk)の楽曲から2秒ほどのフレーズをサンプリングして女性ラッパーの楽曲に無断使用したとして、クラフトワーク側がこの曲を作ったヒップホップ・プロデューサーのMoses Pelhamを著作権侵害で訴えていた訴訟の判決が先日あり、ドイツの連邦憲法裁判所が、この件は著作権侵害には当たらないとする判断を下しています。
この訴訟は、プロデューサーのMoses Pelhamらが、ドイツの女性ラッパーSabrina Setlurの楽曲「Nur mir」(1997年)の中で、クラフトワーク「Metall auf Metall(Metal on Metal)」から2秒ほどのフレーズをサンプリングしてドラムサンプルとして繰り返し使用したため、クラフトワークのラルフ・ヒュッターが著作権侵害を訴えていました。
すでに20年ほど争われているこの訴訟は、2012年にドイツの裁判所からクラフトワーク側の勝訴という判決が出ていましたが、プロデューサー側が控訴していました。
連邦憲法裁判所は判決の中で、「サンプリングによって生み出された新しい楽曲が、原曲と競合しない、そして財政的に著作権の所有者を傷つけない限り、サンプリングの使用が原曲の著作権を侵害したことにはならない」と説明。

出典:http://business.newsln.jp/news/201605311030310000.html

裁判所は「ヒップホップの音楽スタイルは、このようなサウンドを使うことによって成り立っている面もある。もしこれが禁止されたなら生き残らないだろう」といい、サンプリングを禁止することは特定の音楽スタイルの終わりを意味するであろうとも説明。ただし、今回のケースはプロデューサー側がサンプリング使用する前に許可を求めるべきであったとも主張しています。

出典:http://business.newsln.jp/news/201605311030310000.html

■■■■

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なお、この裁判は2000年から開始しており、17年間に渡って争われていたようです。
分かる範囲でその経緯をここに記載いたします。
下記のサイトの情報を参考にしています。

http://www.economist.com/blogs/schumpeter/2012/12/recording-rights
出典:http://www.economist.com/blogs/schumpeter/2012/12/recording-rights

http://www.factmag.com/2012/12/19/judge-rules-in-kraftwerks-favour-in-long-running-legal-battle-over-two-second-sample/
出典:http://www.factmag.com/2012/12/19/judge-rules-in-kraftwerks-favour-in-long-running-legal-battle-over-two-second-sample/

http://www.spotlight-jp.com/matsutake/mt/archives/2012/12/kraftwerk_sampling.html
出典:http://www.spotlight-jp.com/matsutake/mt/archives/2012/12/kraftwerk_sampling.html

「2秒の」サンプリング訴訟 17年間の経緯


出典:http://www.propertyshark.com/mason/Property/5828892/5097-Lower-Ct-Hamburg-NY-14075/

【クラフトワーク勝訴】2004年 ハンブルグ下級裁判所

「2秒という最も短い断片でも、完全に新しい作業でない限りは著作権侵害にあたる」という判決。


出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Government_of_Hamburg

【クラフトワーク敗訴】2006年 ハンブルグ上級裁判所

クラフトワークに不利な判決。上告可能な状態に引き戻される。


出典:http://www.bundesgerichtshof.de/DE/Home/home_node.html

【クラフトワーク勝訴】2012年12月13日 ドイツ連邦裁判所

「他の楽曲からのサンプリングは、サンプリングをしたアーティストがそのサンプリングした音の持つ効果を自分自身で再現できない場合にのみ許可される(Moses Pelhamは再現できる環境にあった)」という判決。


出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E9%82%A6%E6%86%B2%E6%B3%95%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80

【クラフトワーク敗訴】2016年5月30日 ドイツ連邦憲法裁判所

「サンプリングによって生み出された新しい楽曲が、原曲と競合しない、そして財政的に著作権の所有者を傷つけない限り、サンプリングの使用が原曲の著作権を侵害したことにはならない」という判決。

判決結果が少しずつ洗練されているようにも思えます。
2004年の第一審はあまりにも杓子定規でさっぱりとした判決。
2012年は音楽制作的な部分を掘り下げてはいるもののサンプリングの本質が理解されていない印象。
そして今回の2016年はヒップホップという音楽とその成り立ちに理解を示してはいますが、音作りにこだわる人は思わず「えー」と声を上げたくなるような判決理由です。
これで17年の闘争に決着がつくのでしょうか?

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