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渡米直前のWalkingsへインタビュー

【音楽人へのインタビュー】アメリカツアーへ挑むWalkings 高田風が音楽の向き合い方を語る

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出典:http://walkings.wixsite.com/walkings

Walkings(ウォーキングス)がチャレンジする、新しい挑戦

2017年に入って間もなく、興味深い情報が私たちの耳に入りました。
アメリカの大規模フェス「SXSW」と全米ツアー「Japan Nite tour」へ出演するにあたり、クラウドファンディングを決行するバンドがいるとのこと。

バンドの名前はWalkings(ウォーキングス)。
2015年のフジロック・フェスティバル「ROOKIE A GO-GO」に出演し、2016年には1stアルバム『穴』を全国リリースした3ピースのロックバンドです。

音楽人.net編集部では、「アメリカでの映像をドキュメンタリー映画として制作する」というプロジェクトを掲げ、渡米を直前に控えたWalkings(Vo.Gt.)の高田風氏にインタビューをしました。

ミュージシャンとしてクラウドファンディングに参加することや、ライブで演奏すること、楽曲を制作すること。
様々な角度から、どういった気持ちで ” 音楽 ” と向き合っているかを教えていただきました。


「タダでアメリカツアー行けるなんて、めっちゃいいじゃん!優勝したい!」と思って、そのオーディションに応募しました

ー改めまして、今回なぜアメリカでツアーをするのかを教えてください。
高田 風(Vo.Gt.):そうですね。元々、アメリカでライブをしたいなと思っていたんですけど、その中でソニーのオーディションがあったんです。優勝をするとSXSWと全米ツアーの費用を全てソニー持ちでいけるというオーディションで。「タダでアメリカツアー行けるなんて、めっちゃいいじゃん!優勝したい!」と思って、そのオーディションに応募しました。

ーオーディションの結果はどうでしたか?
決勝までいって、「よっしゃ、これは優勝するぞ!」って思ったんですけど結局は優勝できなかったんですよ。

ーそうなんですね!それでは何故、今回SXSWと全米ツアーへ行けるようになったんですか。
そこがややこしいんですけど(笑)、Japan Nite tourのイベンターであり、そのオーディションの審査員でもあったSXSW Asiaの人から誘ってもらえたんです。優勝はできなかったけど、サウス・バイの人やオーディエンスの評価があったので「自費になっちゃうけど…」という条件で出演できることになったんです。副賞みたいなみたいな感じですね。

知名度のない俺らに何で共感してもらえるのかっていうのが課題としてあって

ーそうだったとしても、いいきっかけでしたね。そして現在、その費用を集めるためにクラウドファンディングをするとお聞きしました。
今回のアメリカツアー旅費とドキュメンタリー映画の制作費用ですね。クラウドファンディングでは映画制作をメインにしました。支援者にはお金を払ってもらいますし、いい加減なことはできないと思うので、何をやってきたのかをちゃんと見張ってもらおうと思って。アメリカへ行ってからの行動をカメラマンたちが撮ってはアップをするリアルタイムドキュメンタリーというものもするんですけど、何やっているんだろうっていうのも見れて面白いかなと。リターン内容になるので融資をしてもらわないと見れないんですが。

ー最近ではアーティストでクラウドファンディングをする人が増えているように思うのですが、今回クラウドファンディングという方法を選んだ理由を教えてください。
アメリカツアーが正式に決まったのが12月末で、ほぼ1月頭だったんですよ。結構悩んだんですけど3人で行くとしても120~130万とかかかるんですが、2か月間でそれは無理だなと。結局、出ると思っていた費用も出ないと聞いて、悔しいという気持ちもあってスポンサーを募りたかったんですよね。そんな時に2,3人くらいからクラウドファンディングを勧められたんですよ。お金だけじゃなくて、注目や応援してくれる人が増えることに繋がるよ、ということで。紹介してもらって参加しました。

https://www.muevo.jp/campaigns/1178
出典:https://www.muevo.jp/campaigns/1178

■■■■

ーそうなんですね。周りでもクラウドファンディングをしている人は多いですか?
知り合いですとヘンショクリュウというバンドがアルバム制作のためにクラウドファンディングをしてました。2年前くらいでしたが、達成していたと思います。

ーWalkingsも(※インタビューをしている現時点で)98%なので余裕そうですね。
あと2%!ただ裏目標があって、その目標は150万なんでまだ頑張ります!

ーパトロン(支援者)へのリターン内容はどうやって決めましたか?
まず、クラウドファンディングのスタンダードは知りたくて本で勉強したんですよ。「クラウドファンディングで夢をかなえる本」で板越ジョージさんという人が書いた本なんですけど、2013年くらいに出た本だったんですが、その当時まだ日本でクラウドファンディングが全然普及してない頃の日本で初の教科書と呼ばれている本でした。それと2016年に出てる本も読んだんですけど、やっぱりその2013年に出ている本の方がためになりましたね。プロジェクトのページに載せる文章だったり、いろんな人の成功例が参考になりました。リターンに関しては、逆に最近の人がやっているクラウドファンディングの内容を見たりしましたね。知名度のない俺らに何で共感してもらえるのかっていうのが課題としてあって。例えばミスチルだったら、「ニューアルバム出します」というだけで共感してもらえると思うんですけど。クラウドファンディングって紙一重で違う方向にいってしまうように思っていたので気を付けました。

ー具体的に言うと?
他のバンドでいうと「一緒に飲み行けます!」とか、「あなたのために曲を書きます」とかを結構な高値をつけているんですよ。それは俺らにそれはちょっとダサいなと思って、反面教師にしたところはあります。どういうリターン内容にしたら価値を見てくれるのかなと考えて、今回の内容を決めました。

ーバンドとしての美学も守りつつ、という感じですね。プロジェクト達成に向けて、現在行っている活動について教えてください。
(プロジェクトの)ページ内に活動報告があるので、今はそれをアップしています。元々は、ストリートライブをやってたんですよ。発注した宣伝のチラシを持って路上で配るという完璧なプランがあって。ただ、許可を取らずにやっていたので逮捕されちゃったんですよね(笑)。結局その計画がなくなっちゃった。

ライブハウス200人入る箱だと最高でも200人にしか聴いてもらえないけど、路上だったらそれ以上の人に聴いてもらえるチャンスがあるなと思います

ー逮捕!?ストリートでのライブはどのくらいの頻度でされていたんですか?
週1回以上はやっていて、はじめてから半年くらいで逮捕されちゃったんですけど。毎回注意された時に紙を書くんですが、警察の人には60回くらいやってるって言われちゃいました。終わるきっかけはいつも注意されるときで、演奏始めて30秒くらいで止められることもあればマイクスタンド立てただけで止められたりとかもありました。

ーそんなこともあったんですね。そんなリスクがある中でストリートライブをする理由はなんでしょう。
いろいろ理由はあるんですよね。まずは音源を自主制作しようと思って、その製作費を集めるためにやっていましたね。月に1、2回くらいライブハウスでライブもするんですけど、それだと制作費が集まらないなと思ってストリートライブを始めました。あとは、ライブハウスへ行ったことない人っているじゃないですか。ロックバンドの音なんて生で聴いたことがないという人が路上だとほとんどじゃないかな。そういう人にも聴いてもらったり、ライブハウスへ来てもらえるようになったら凄くいいなっていう気持ちもありまして。ライブハウス200人入る箱だと最高でも200人にしか聴いてもらえないけど、路上だったらそれ以上の人に聴いてもらえるチャンスがあるなと思います。場所にもよりますが確実に耳に入る人は増えますよね。「なんだあのバンドうるせぇな」って思う人も含めたら、相当な人数ですよ(笑)。ライブハウスで活動しつつ、ストリートライブをやるのが宣伝効果としてはいいですよね。

ーライブハウスでのライブと、ストリートでのライブは違いはなんですか?
ストリートの方が怖いですね。いつお巡りさんが来るかわからないし、場所によっては全然立ち止まってくれないときもあります。弾き語りだったらまだ聴きやすいかもしれないんですけど、はりきってバンドで演奏となると、誰も止まらなかった時は心にきますね(笑)。逆に人混みになって人が通れるかなってくらいめちゃくちゃ集まりすぎちゃう時もあるんですけど、(集客に)波があるんで演奏に集中しづらいところがありますね。

ー結構、そこでメンタルは左右されるんですね。
そうですね、多少ありますね。でも心も強くなったし、短い期間で沢山ライブしたんで演奏力やメンバーと見合わせなくても勝手に合う、ということが身に付きました。もちろんライブハウスでも人に左右されるときはありますけどね。ただライブハウスだと立ち去るということがまず無いので。

ーストリートライブの機材のこだわりや気を付けていることはありますか?
雨がちょっとでも降りそうな時はやらないようにしてますね。機材でいえば、バッテリー式のアンプを使っているんですけど、使っているのがCRATEの50Wくらいの廃番かなんかの大きいタイプのやつで。普通はストリートライブだと10Wや15Wとかでも足りて、そんなに大きいものは要らないんですけど、こっちはバンドなんでドラムの音に合わせる必要があって。ドラムもミニサイズにしているんですけど、どうしてもドラムの音がでかいのでそれに合わせるためにヤフオクとかでそのアンプ探しました。

ーストリートライブとライブハウスのライブでは、どちらが好きですか?
そりゃ、ライブハウスの方が好きですよ(笑)!サウンド的にはやっぱり、ライブハウスは気持ちいいし、自分の機材も持ち込めるし。路上だとある程度妥協しなきゃいけないですしね。妥協のための演奏になっていているので、明らかにライブハウスの方がいいですね。

ー警察に怒られないですしね(笑)。
そうそう(笑)。

■■■■

あんまり昔の曲を聞き返さないんですよ。昔の日記って読み返さないじゃないですか

ー演奏される楽曲制作はどうされてますか。
結構いろいろありますが例えば、俺がワンコーラス作って持って行って、スタジオでやってみて、それをまた持って帰ってまた練り直して持って行って、みたいな。

ー作ることで特に苦労することはなんでしょう。
歌詞ですかね。歌詞は最後の最後につける感じなのでいつまでたっても俺の中では一番下手なんですよね。曲はボツも含めてたくさん作るんですけど、歌詞は曲が完成しないと付けないので。(歌詞の付いてない)曲のストックは外付けハードディスクに眠っているやつがめちゃくちゃいっぱいありますよ。

ーその大量のストックが、これから完成すると思うと楽しみじゃないですか!
ただ、あんまり昔の曲を聞き返さないんですよ。昔の日記って読み返さないじゃないですか。かなりでかい心でいかないと読み返せないですよね。

ー曲作りで、嬉しくなる時ってどんな時でしょうか。
一旦、曲として完成させるまではlogicで作るんですけど、「いい曲が出来たぞ!」って思うと興奮するんですよね。すぐdropboxへ入れて外でも持ち運んで聴けるようにするくらい。もはや、録音やCDになった状態までいくと、気が萎えますね。

ーそれはまた過去の日記みたいになるんですかね(笑)。
たぶん何百回とか相当聞いてディテールしているわけじゃないですか。誰よりも聴いているので、完成してる時には飽きていたりするんでしょうね。

ーなるほど。楽曲をいざレコーディングをする際に、気にかけていることはありますか?
録音する前は、結構ベースやドラムの感じを忘れちゃうことがあるんで確認として自分で録音します。プリプロみたいな感じなんですけど、ドラムを一発録りでやるのも面倒くさくて、それぞれの音がちゃんと録れないから、ある程度(レコーディングに向けて)狙った音はひとつずつ事前に作っていきますね。レコーディングではそれより格好良く作ってもらおうとは思っています(笑)。(レコーディングした音より)デモの方が格好いいじゃん!ってなっちゃう時は、もう(笑)。

ーそういう場合も、あります(笑)?
ありますよ!だからデモの時に出てたアイディアは忘れないようにしつつ、更にキメキメになりすぎないようにとは考えてます。

ドカン!という音が格好いい!という思い出があってテープレコーディングがやってみたかったんです

ーエンジニアさんに任せっきりにすることと、自分たちの意思を遂行することはどっちが多いですか?
でもエンジニアさんには相談しますね。曲を作ることに関しては聞かないんですけど、音を録ることに関しては結構聞きます。

ーレコーディングエンジニアはどう選びますか?
今のバンドでは安宅さんと岩田さんという、まだ2人にしかお世話になってないんですけど。安宅さんっていう人は、俺ら(Walkings)と相思相愛なんです。一緒にやると楽しいし。出したい音もわかってくれているようなそんな感じです。1stアルバムは安宅さんに録音してもらいました。前回のgeniusEP製作の時は『テープレコーディング』がしたいというきっかけで、トリプルタイムスタジオで録音している岩田さんと出会いました。その人のところだとテープレコーディングが出来ると聞いたので。

ーテープレコーディングですか。通常のレコーディングと比べて、金額や音も変わったりしますよね?
普通テープレコーディングするとなると15分くらいしか録れないテープが一本4万円位すると聞いたことがあるのと、デジタルと違い巻き戻しにも時間がかかるので取り直しが多くなる程時間コストがかかってしまいますね。しかしそこのスタジオはテープレコーディングが出来るけど、「インディーズ応援パック」というキャンペーンをやっていて凄く安かったんですよ。テープレコーディングは音が ”いなたく” なるというか、角が取れて自然になる感じはします。

ー何故、テープレコーディングがしたかったんでしょうか。
ニューヨークいってた時があるんですけど、そこで出来た友達がオープンリール(テープレコーディングが出来るマシーン)を持っていて、一緒にドカン!と録音して遊んでたことがあるんですよ。その、ドカン!という音が格好いい!という思い出があってテープレコーディングがやってみたかったんです。実際に岩田さんのところでドカン!と鳴らしたら「全然いい音出てないよ、まずはボリューム下げてから音作れば?」って言われちゃって(笑)。凄くクールだったんで、最初は「この人、俺たちのこと好きじゃないかも!これから一緒にできるのかな…」って思っていましたもん(笑)。最終的には飲みに行ったりもしましたし、実際学びの多いレコーディングになりました。

■■■■

テクニックを付けないようにしてますね。必要な部分だけ磨いていくようにしてます

ー音楽と向き合うにあたって大切にしていることや心構えを教えていただけますか。
曲作りに関して意識しているのは、あまり考えすぎないようにしていることですね。最終的にまとめることは考えるんですけど、「これは自分の顔なんだ」と思って諦めて作るというか。例えば無意識のうちに倉木麻衣のメロディーが入っちゃったとしても、それも愛してやるっていうね。この前はオレンジレンジが出てきましたけど(笑)。

ーライブに対してはどうでしょう。
ライブの時は、なるべくクールでいようとしますね。エキサイティングしすぎないようにしようと。ライブはショーだから自分に酔うわけじゃなくて、酔うふりして実は酔ってないぜみたいな演奏をしたいですね。ちゃんと演奏したいですね、ちゃんと演奏することが楽しいです。

ーなるほど、そこで演奏するギタリストとして大切にしていることは?
ギタリストとしてはテクニックを付けないようにしてますね。必要な部分だけ磨いていくようにしてます。

ーそれはモデルとしているギタリストがいるんでしょうか。
そこで言うとジャック・ホワイトとジミ・ヘンドリックスなんですけど、あの人たちあまりギターは上手くないんですよ。極端な話、速弾きみたいなものは曲芸になってくると思っていて、作曲とかもそうですけど技が増えてきちゃうと曲芸になってきちゃうからあまり練習をするというよりはアイディア力を磨いていくということを意識していますね。

ー機材にもこだわりはありますか?
足元は増やさないようにしていますね。こだわっていることと言えば、手元のボリュームを絞った時にクリーンが綺麗に出るようにはしています。クリーンで音作りをするわけではなく、そこはクランチなんですけど。ブースターを踏んで歪ませて、手元のボリュームを徐々に絞ってクランチ、クリーンとさせるところです。足元のボリュームペダルとかではなくここ(手元)で出していきたいんですよね。

ー現代っぽくないアナログなイメージですね。
そうですね、60年代の音楽とかの発想ですね。

ーなるほど、ありがとうございます。それでは最後にWalkingsの目標や今後のビジョンがあれば教えてください。
今回、アメリカツアーに行くのでどんどんきっかけを作っていきたいなとは考えてます。アメリカだけじゃなくて、どんどん海外のツアーに行けるような。もちろんヨーロッパでイギリスやドイツも行ってみたいですが、でもやっぱり一番はアメリカでライブをしたかったんですよね。今回は沢山の人に助けてもらってクラウドファンディングで行くんですけど、いつか稼ぎをもらって海外ツアーへ行けるようにもしたいです。

http://walkings.wixsite.com/walkings
出典:http://walkings.wixsite.com/walkings

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